歯科恐怖症は,、歯医者に対して強い恐怖心を持ち、心と体が過剰に拒否反応を起こしてしまう症状です。一般社団法人 歯科恐怖症学会によると、20人に1人が歯科恐怖症であるとされています。
歯科治療を避けることで口腔内の衛生状態が悪化し、全身の健康にまで影響が及ぶことも少なくありません。しかし、適切な対策をとることで、恐怖心を少しずつ克服することが可能です。今回は、歯科恐怖症の原因と対処法、克服に役立つ治療方法を解説します。
1. 歯科恐怖症で歯医者に行けない原因
歯科恐怖症の原因は個人によって様々ですが、主な要因を以下に解説します。
①過去のトラウマ
過去に受けた歯科治療での痛みや不快感が、トラウマとして心に残ってしまい、再び同じような状況を避けたいという強い恐怖心を抱くようになります。過去のネガティブな経験が、歯医者へ行く不安や恐怖を増大させる要因となります。
②痛みに対する恐怖
歯科治療の際に経験したことのある痛みへの恐怖は、多くの人が持っています。歯を削ったり、抜いたりする際の音や振動が苦手で、それを想像するだけで恐ろしく感じてしまう場合もあります。
③麻酔への不安
麻酔が効かない、あるいは過剰に効きすぎるといった過去の経験から、歯医者へ行くことを避ける人もいます。麻酔が切れた後の痛みに対する不安も、恐怖心に繋がります。
④歯医者の環境への不安
歯医者独特の匂いや、キーンという機械の音を苦手と感じる方も多くいます。また、使用される専門用語も理解できないことが多く、それにより不安や抵抗感を感じる人も少なくありません。
2. 歯医者でのトラウマ、歯科恐怖症の克服方法
歯医者でのトラウマ、歯科恐怖症を克服するためには、自分に合った方法を見つけることが重要です。以下に、いくつかのアプローチ方法を解説します。
①段階的に慣れる
まずは歯科医院を訪れて雰囲気に慣れることから始め、次に簡単な検診を受けるといった具合に、徐々に治療に進むことで、無理なく治療に慣れていきます。
②リラクゼーション技法の活用
治療前に深呼吸や瞑想などを実践することで、心を落ち着かせることができます。体と心の緊張を和らげ、ストレスを軽減する助けとなります。
③歯科医師とコミュニケーションをとる
歯科医師やスタッフと事前にしっかりコミュニケーションをとることで、不安を減らすことができます。自分の恐怖心や疑問を率直に伝えることで、安心感を持つことができる可能性があります。
④カウンセリングや心理療法
歯医者への恐怖心が強い場合は、心理カウンセラーやセラピストの助けを借りることも一つの方法です。特に認知行動療法(CBT)などの心理療法は、根深い恐怖の軽減に役立ち、歯科治療に対する心の準備を整えるのに効果的です。
心療内科クリニックなどの専門医に相談することで、不安を和らげる方法を見つけられる場合があります。
当院同ビル2階には渋谷神泉こころのクリニックがございます。とてもやさしく頼りがいのある先生です。
3. 歯科恐怖症の方への歯科治療
現代の歯科医療では、歯科恐怖症の患者さんに優しい治療方法が数多く開発されています。その内容について、以下に詳しく解説します。
①笑気麻酔
笑気麻酔は、患者さんがリラックスした状態で治療を受けられるようにする治療方法です。意識が保たれている状態で、心身の緊張感を和らげることができます。笑気ガスは体内ですぐに分解されるため、短時間で通常の状態に戻りやすいのが特徴です。
②レーザー治療
レーザーによる治療は、従来のドリルを使用する方法に比べて音や振動が少なく、患者さんへの心理的な負担が少ないとされています。痛みや不快感が少ないため、歯科恐怖症の患者さんにも適した治療法の選択肢といえます。
③静脈内鎮静法
静脈内鎮静法は、患者さんの不安を取り除くために局所麻酔と併用し、痛みや不快感を感じることなく眠っているような感覚で治療を受けることができます。軽い眠りから深い眠りまで調整が可能で、処置に合わせて眠りの深さを選択します。
~眠れる森の歯科~Dr.Lデンタルクリニック渋谷神泉では、この静脈内鎮静を使用します。
全身麻酔では丸1日入院する場合や、術後の休み時間が長くなりますが、静脈内鎮静を用いた無痛治療では、術後10分~1時間程度でお帰りいただける場合もあります。
治療時間も最大8時間程度を確保できるため、一度に複数の治療箇所を進めることも可能です。静脈内鎮静中に大きく動いてしまう方には全身麻酔が適していますが、ほとんどの方は静脈内鎮静で対応することが可能です。
4. 歯科恐怖症の方でも通いやすい歯科医院の選び方
歯科恐怖症の方は、自分に合う歯科医院を選ぶことが重要です。以下の点を参考にしてみてください。
①静脈内鎮静法や笑気麻酔が可能な歯医者を選ぶ
静脈内鎮静法や笑気麻酔、レーザー治療などに対応する歯医者を選びましょう。事前に問い合わせをし、歯科恐怖症でも治療が可能かどうか確認をしましょう。
②リラックスできる環境
院内のインテリアや音楽、香りに配慮している歯医者は、緊張を和らげる手助けをしてくれます。また、診療台や待合室の雰囲気も、選択において重要な要素となります。
歯科恐怖症は、適切な対策をとることで克服することが可能です。まずは、自分に合った方法を試し、少しずつ前進していくことが大切です。自分の健康を保つために、重要な第一歩を踏み出す勇気を持ちましょう。
渋谷駅周辺でお口の健康に関するお悩みをお持ちの場合は、~眠れる森の歯科~ Dr.Lデンタルクリニック渋谷神泉 にお気軽にご相談ください。
監修:~眠れる森の歯科~Dr.Lデンタルクリニック渋谷神泉
院長 鈴木麟太郎 Lintaro Suzuki
【学会・所属団体】
日本口腔インプラント学会
日本審美歯科学会
日本歯科麻酔科学会
点滴療法研究会
高濃度ビタミンC認定医