親知らずは、生え方や年齢によっては抜歯が検討されることがあります。特に抜歯後の腫れや痛みは、不安に感じやすいポイントです。「いつまで腫れるの?」「会社や学校に復帰するタイミングは?」「日常生活にはどんな影響がある?」など、さまざまな疑問を抱える方も少なくありません。今回は、親知らず抜歯後の腫れが引くまでの期間や過ごし方、腫れが長引く場合に考えられる原因や適切な対処方法について解説します。
1. 親知らず抜歯後の腫れはいつまで続く?
親知らずを抜いた後、多くの人が経験するのが「頬や顎の腫れ」です。これは自然な炎症反応であり、必ずしも異常ではありません。ここでは、腫れの一般的な経過や、影響する要因、対処法について説明します。
①通常の腫れの期間
一般的に腫れは、抜歯後1〜3日目がピークで、4日目以降から徐々に落ち着いてきます。完全に腫れが引くまでには1週間前後かかることが多いです。通常は1週間程度で落ち着きますが、10日以上続くようであれば歯医者での診察が望ましいことがあります。
②抜歯の難易度と腫れの関係
腫れの程度は、抜歯した親知らずの状態や抜歯の難易度によって異なります。たとえば、歯ぐきに完全に埋まっていたり、骨を削って抜くような複雑な抜歯だった場合は、腫れや痛みも強く出やすくなります。
③左右で腫れ方が違うことも
上下左右4本すべての親知らずを抜いた場合、腫れ方に差が出ることがあります。これは骨や周囲組織の状態が異なるためであり、異常ではありません。
④痛み止めと冷却の重要性
腫れのピーク時には痛みも強くなる傾向があるため、処方された痛み止めを指示通りに服用し、腫れている部位を保冷材などで冷やすことが有効です。ただし、冷やしすぎは血流を悪くし、かえって治りを遅くする場合もあるため注意が必要です。
⑤発熱や強い腫れを伴う場合
37.5度以上の発熱や、頬が大きく腫れあがる場合には、感染の可能性があるため早めの受診が勧められます。腫れが日に日に増すような場合も同様です。
⑥仕事や学校への復帰の目安
デスクワーク中心の仕事であれば、抜歯翌日から出勤される方もいます。ただし、会話が多い業務や身体を動かす仕事の場合は、2〜3日ほど静かに過ごされるケースも少なくありません。可能であれば、抜歯後1〜2日はスケジュールに余裕を持たせておくと、体への負担を抑えやすくなります。
2. 親知らず抜歯後の過ごし方
抜歯後の過ごし方は、回復を早め、トラブルを防ぐために非常に重要です。痛みや腫れを最小限にするための生活上の注意点を以下に整理します。
①抜歯後は安静に過ごす
抜歯当日は、できる限り体を休めて静かに過ごすことが望ましいです。血行が良くなりすぎると出血や腫れが悪化するため、激しい運動や長時間の入浴は避けましょう。
②食事は柔らかく刺激は避ける
抜歯直後は、硬い食べ物や熱い飲み物を避け、柔らかい食事を心がけましょう。例えば、おかゆ、ヨーグルト、プリンなどが適しています。噛む際は、抜歯した側を避けて反対側で食べるようにしましょう。
③口腔内の清潔を保つ
傷口に細菌が入らないよう、口の中を清潔に保つことが重要です。ただし、強いうがいは避けてください。抜歯後24時間はうがいを控え、翌日以降も優しく行いましょう。歯磨きを行う際は、抜歯した部分を避けて、やさしく磨くように心がけましょう。
④処方された薬は必ず服用する
抗生物質や痛み止めは、処方された指示通りに必ず服用するようにしましょう。特に抗生物質は、途中でやめると感染リスクが高くなるため、指示された期間は飲み切ることが大切です。
⑤飲酒・喫煙は控える
アルコールやタバコは、血流を促進して出血や炎症を悪化させる可能性があるため、抜歯後少なくとも3日間は控えるようにしましょう。治癒の妨げになるだけでなく、感染リスクも高まります。
⑥気になる症状はすぐ相談を
異常な出血、強い痛み、腫れの悪化などがある場合は、すぐに歯医者に連絡しましょう。自己判断で放置せず、必要に応じて歯医者に相談することで、症状の悪化を防ぎやすくなります。
3. 親知らず抜歯後の腫れがひどい場合に考えられる原因と対処のポイント
通常の腫れは自然な経過ですが、明らかに腫れがひどい、または日ごとに悪化しているような場合には注意が必要です。腫れが強くなる原因とその対処法を以下に整理して解説します。
①ドライソケット(抜歯窩の露出)
抜歯後にできるはずの血餅(けっぺい:傷口をふさぐ血のかさぶた)がうまく形成されず、歯の穴(抜歯窩)がむき出しになる状態です。これを「ドライソケット(血餅が失われて歯の穴が露出した状態)」と呼び、非常に強い痛みと腫れを伴います。治るまでに1〜2週間以上かかることもあり、歯医者での処置が必要になる場合があります。強いうがいを避けることが予防につながるでしょう。
②細菌感染による炎症
抜歯部位に細菌が入り込むと、感染が起こり腫れや膿、発熱を伴うことがあります。これを放置すると「顎骨骨髄炎(がっこつこつずいえん)」や「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」などの重篤な病気につながることもあるため、強い腫れや熱がある場合は早急に受診しましょう。
③血行促進による悪化
抜歯後に長風呂に入ったり、運動をして体温が上がったりすると、炎症が悪化することがあります。腫れがひどいと感じた場合は、まずは冷やして安静に過ごし、それでも改善しない場合は診察を受けましょう。
④アレルギー反応がでた場合
まれに、処方された薬や使用された麻酔薬にアレルギーを起こすことがあります。腫れとともに発疹やかゆみ、息苦しさなどの症状がある場合は、すぐに医療機関へ相談してください。
⑤親知らずの周囲に膿瘍があった場合
抜歯前に親知らずの周囲に感染や膿瘍(うみの袋)があった場合、それが術後に悪化することがあります。このような場合は、腫れや痛みが長引く傾向があり、追加の抗生物質や洗浄処置が必要になることもあります。
⑥痛み止めや抗生物質が効かない場合
処方された薬が効かない、または途中で服用をやめてしまった場合、炎症が抑えられず腫れがひどくなるケースもあります。服薬は自己判断でやめず、必ず指示通りに継続することが大切です。
これらの症状がある場合は、できるだけ早く歯医者へ相談するようにしましょう。
4.渋谷 神泉の歯医者 ~眠れる森の歯科~ Dr.Lデンタルクリニック の親知らず抜歯
渋谷 神泉の歯医者 ~眠れる森の歯科~ Dr.Lデンタルクリニックでは、患者さんの不安を和らげるために、局所麻酔、静脈内鎮静法などの様々な麻酔法をご用意しています。
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親知らずの抜歯も、様々な麻酔法を活用し痛みや不安を軽減する治療を行っています。
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まとめ
親知らずの抜歯後は、腫れや痛みの症状がでることがありますが、ほとんどの場合1週間以内には落ち着いてきます。適切なケアを行えば、日常生活や仕事への復帰もスムーズに進められます。ただし、腫れがひどい・長引くといった場合には、感染やドライソケットなどの可能性もあるため、早めに歯医者を受診することが大切です。
渋谷、神泉周辺で親知らずの抜歯についてお悩みの方は、~眠れる森の歯科~Dr.Lデンタルクリニックまでお問い合わせください。
監修:~眠れる森の歯科~Dr.Lデンタルクリニック渋谷神泉
院長 鈴木麟太郎 Lintaro Suzuki
【学会・所属団体】
日本口腔インプラント学会
日本審美歯科学会
日本歯科麻酔科学会
点滴療法研究会
高濃度ビタミンC認定医